ゲンテン【1】
ten.「ゲンテン」コブクロ運命の物語
スタジオにいる、ますだおかだの増田さんもすごくリスペクトしているという小渕さん。「コブマス」になりたいくらいだと。(笑)
そして、今回小渕さんと対談する、清水健アナウンサーは知ってる方も多いと思いますが、黒田さんとは小・中学校の同級生で親友です。そんなシミケンさんが、今回あえて別々に話を聞きたかったのだそうで。
対談の場所は、心斎橋の三木楽器。コブクロファンならご存知の方も多いでしょう。デビュー前、お店の前でライブをしてたこともあり、ファンの間では聖地と呼ばれる場所のひとつ。6月26日に移転してしまうのが残念ですね。。
さて、がんばって文字にしたので、打ち間違いもしあれば、見逃してやってくださいね。(笑)
【コブクロの「ゲンテン」とは】
あえて、小渕さんとだけ。とシミケンさんが伝えると、「びっくりしました。世界初ですから。」と笑う小渕さん。「黒田がおったら喋れんこともあるかなあと思って」「あるかもしれないですね(笑)」そんなゆるく始まりました。
そして、黒田さんからシミケンさんにメールが届いたそうで。
「小渕は オレとおると小さいと思われがちですが、実は平均ぐらいやというのを世間の人に わかってもらう、今日は絶好のチャンス!清水とやったら 厚底靴じゃなくても大丈夫!」
するとこぶちさん。
「でも、ぼくのすごいところは、清水さんとやのに若干厚底っていう」(笑)
関西が生んだ人気フォークデュオ「コブクロ」
2人が大阪で出会ったことにより始まる運命の物語
まずは、どう呼び合うかについて話し合う、小渕さんとシミケンさん。(笑)
「小渕くん」「清水くん」と呼び合うことになり、敬語使ったら罰金という制度が(笑)さっそくシミケンさんが敬語使うと、すかさず小渕さんが「はい!100円!」という場面も(笑)
【ゲンテン1】黒田との運命の出会い
清「この大阪で初めて黒田と出会うわけじゃないですか。初め、どんな存在だった?」
小「ぼくそのときサラリーマンやったから、会社帰りにごはんも食べ終わって、じゃあ行きましょうって部下とかもおって、ほなバーっと歌ってるわけ」
清「え?ひとりで?」
小「ひとりで。いろんな人が。いろんな人が歌ってるところにバンッて黒田がおって。もう、その、なんでしょう?風貌?何パーマっていうのそれっていう風貌で顔はほとんどこんくらい(手でやる)しか見えないから、40代くらいの方がね、音楽でダメで今ここで歌ってはるんやろうなっていう域の雰囲気ですよ。それで歌声に段々近づいていくと、そのボリューム感がすごすぎて、しばらくは近づけないくらい。」
清「やっぱり上手いの?」
小「まずは音量。音量がでかい。」
他の人が歌ってる音量とは比べものにならないくらいの声で歌ってたそうで、小渕さんが黒田さんのモノマネをして再現。(笑)
小「お前、原曲聴いたことあんのか!って若干思うくらい、はっきり言って最初信じられんくて。(笑)」
清「それでも惹かれる部分があった?」
小「ものすごくうまい。独特。どうやって今までやってきたらこんな歌い方になったんやろ?っていうのがものすごい興味があって。ぼくは、(カバーで)そのアーティストっぽく歌うのがいいんじゃないかって思う派で、でも黒田は「なんでその人っぽく歌わなアカンの?」って思うタイプやったから」
清「小渕くんと正反対のものを持ってた?」
小「そうそう。で、歌をパーって歌って、次の歌も聞こうかなと思ったら、「ほんで昨日ね〜」って言って30分くらいオカンの話。大爆笑をかっさらって、「ほんなら!」って言って帰っていく。この人歌う人なのかしゃべる人なのか?さえちょっと最初わからんくって。」
清「でも周りには人だかりができてる?ってことはやっぱ魅力があったんだ」
小「そうそう」
サラリーマンをしながら、週末は堺のストリートでギターを演奏していた小渕さん
清「初めて話しかけたのはどっちから?」
小「初めては黒田から。ぼくは歌うことと同じくらい弾くことが好きだったんで、大好きなギターリストの曲を弾いてはたまに歌うってやってたら、今度は黒田がぼくのこと見て「なにをやってんねやろ?ストリートって歌う所ちゃうの?」みたいな感じで。「なんでそんな一生懸命弾くんですか?」って聞かれて、いやいや好きなんでって言うと、えらい見るの、こうやって。(笑)(目を細めて、顎に手を添えて)あとにわかったこと、黒田ギター弾けないんですよ。そのうちわかる(笑)だからそのギターで歌いたいと思ってくれたのか、えらいギターに対して絶賛してくれたけど、40歳くらいの人やと思ってたから「あ、ありがとうございます」みたいなノリやったのは今でも覚えてます(笑)」
清「それがほんと言ったらコブクロのスタート。へぇ〜」
小「でもね。それからはもう早かったよ。曲ができるまで。「桜」ができるまでは早くて」
清「「桜」は小渕くんが相方に歌って欲しいと思ったの?」
小「あ、これもまた逆で、黒田くんが「小渕くん、曲作れるんですか?」って言われたからいや作れますよって。作ったことないのに(笑)サラリーマンで営業しながら、自転車とかバイク乗りながらずーっと「桜」を作ってました。(営業で
まわる)地図の裏にメロディって言っても音符じゃないんで、山なりの線みたいなのを書いて、留守電入れてっていうのをして、ある程度できて歌詞もできて、黒田を家に呼んで、こんな歌ができたんであげます、どうぞってプレゼントっていうか、頼まれたものですじゃないけど(笑)」
清「それであの名曲ができたんですね」
小「そのときは別にそれが名曲とかいい曲やとかなんのジャッジもないから、黒田もありがとうって」
このとき作った「桜」がヒットするのは7年後のこと
清「それを歌った相方を見てどう感じましたか?」
小「まだ一人で桜を歌ってるときは2人くらい集まってたかな。ギターを軍手で。全然弾いてなくて、誤魔化してやってて(笑)「ギターをね、軍手して弾くもんじゃないよ。」って言ったら「寒いねん」って言ってました(笑)じゃあ、ぼくがギターを弾くのでって。歌を覚えてたのが嬉しかったので。歌ってくれる?オレがギター弾くからって。で、ハモるのが好きだからハモってハモってしてたら、パッて見たら100人くらいの人が集まってたんですよ。」
清「それが初めてふたりで「桜」を歌った時?」
小「そう。それでまだオリジナルです なんてかっこ悪くて言えなくて、「今の誰の歌ですか?」って質問に、「今のはMr.Childrenさんの昔歌ってた曲です。」ってそういうしかなくて(笑)」
清「自分たちでこんなに集まるはずがないって思ってるから?」
小「で、またその人達がバーって散っていって、「なんやったんやろなあ?」みたいな感覚。もっかい歌ってみよかって歌ったら、またどこにおったんやろかって人がわーって増えて、それを5週間くらい続けたのかな?1ヶ月ちょっと。その頃、ぼくはサラリーマンやってたんでね、音楽でこの先、生きていこうなんて思うこともできなかったんだけれども、黒田はもう一緒にやりたいと思ってくれてたみたいで、実は組みたいんやって、一緒にやってくれる?って言われて。でも条件があったんで、「いやぼくはサラリーマンやってるので、会社は辞めないですよ」って。「会社辞めない中での音楽でもいいですか?」って言ったら、いや、いい。と。週に1回でいい。一緒に歌えるだけでいい。って。申し訳ないな。プロになりたいんだよね?って言ったら、「なりたい!」って。そんな人にね、(会社)辞めへんって言ってもええんかなって。でもしょうがないから、そうやって言ったの。でもそれでもいいって。オレは音楽好きやけど、それは趣味の一つとして。とうの昔に趣味にしてしまったから、夢というか、夢の鍵は宝箱にしまいこんじゃってたので、二度と開ける夢じゃないという」
清「え、小渕くんミュージシャンになること諦めてたの!?サラリーマン時代!」
小「とっっっくに諦めてます。高校時代くらいで諦めてます。」
プロの歌手を目指すフリーター
プロの歌手をあきらめたサラリーマン
1998年 コブクロ結成
清「でもその「桜」を自分たちが歌って100人がバーって集まってくる。でもまだ歌手になろうとは思えなかった?」
小「無理。無理と思いすぎてたところもあったかな。ミュージシャンがあまりにも大きすぎて。絶対に無理。だけど、実は3ヶ月ちょっとで会社を辞めるんですよ、急に。辞表自分で出して、勝手に。黒田にも辞めるって言わんと辞めて、辞めた日に「辞めました」って言ったら「え〜!小渕くん会社辞めたん!?」って言う感じやった。でも、それはだんだん黒田の声を世の中の人に聞いてほしいっていう思いが生まれて。今で堺の商店街で1000人が聞いてくれたと思うとね、難波に行けば1万人、梅田に行けば2万人みたいに思うとね、どんどん膨らむ。」
清「だからすごい。コブクロって、黒田が小渕くんのギターに惚れて、小渕くんが黒田の歌声にも惚れて。ほんと相思相愛だったわけだね」
小「そうですね。いまも全然変わらないです。黒田の声を一人でも多くの人に聞いてもらうためならいくらでも曲が作れると思える。原動力というか。」
清「いや、これは黒田嬉しいよね。だって、自分の声をみんなに聞かせたいって思ってくれる相方がいるわけでしょ?」
小「うん、でもやっぱりそれはあいつが毎回オレを感動させてくれるし、何百回と、この30cmくらいの距離で歌声を聞き続けたあの頃 叩き込まれてる感動があって。あいつ、アホなんですよ。アホでしょ?」
清「笑ってええんかな....」
小「まあ、このアホというのも良いアホ。これがまたね、説得力も持ってて、「君」っていう言葉もぼくが言う「君」と、黒田の言う「君」は、「君」の伝わり方が違うことにノックダウンされて。「消えそうに咲きそうな」にしても、ぼくが歌うとなんとなく消えそうに咲きそうな蕾が浮かぶけど、あいつが歌うと、いっつも鳥肌が立つ。ものすごく立体的に絵が浮かぶんですよ、あいつの声って。」
続く。⇨